業務委託契約書に印紙が必要・不要なケースを判断しよう!

封筒

業務委託契約を結ぶ際、契約書に印紙が必要かどうか、また貼るとしてもいくら貼ればいいのか迷ったことはありませんか?

同じ業務委託でも契約の内容によって印紙の有無や値段が変わってしまうので、しっかり確認が必要です。

本記事ではそもそも印紙は何のために貼るものなのかといったことも含め、業務委託契約書と印紙に関する知識を解説します。

まずは業務委託契約の種類を知ろう

契約書判子を押す

契約内容に応じて2種類に分類される

業務委託とは、その名の通り企業が別の企業や個人に一定の業務を委託することです。

実際に業務を遂行してもらう前に請け負ってほしい業務内容や報酬などについて定め、業務委託契約書を作成します。

ただし、「業務委託」という言葉そのものはビジネス上の慣習で使用している言葉で、法的には2種類の業務の委託方法があるとされます。

それが「請負」と「委任(準委任)」です。

請負契約と委任契約はそれぞれ違うものですが、まとめて「業務委託契約」と呼んでいるのです。

請負と委任(準委任)の違いは依頼の目的

請負委任・準委任の違いは、何に対して報酬を払うのかです。

請負は、「発注者が依頼した成果物」に報酬を払うもので、委任・準委任は「発注者に依頼されたある仕事をしてもらうことそのもの」に報酬を払います。

委任・準委任は法律行為が関わるかどうかで区別されており、法律行為を委任する場合は「委任」、それ以外は「準委任」です。

例えば、建築業者に建築物を建ててもらうことを依頼した場合、目的は完成した建築物ですから請負契約をします。

デザイナーに企業のロゴデザインを依頼した場合も、目的は成果物であるロゴなので請負契約です。

一方、清掃業者にオフィスの掃除を依頼した場合は掃除をしてもらうことそのものが目的になるので、準委任契約を結ぶことになります。

社員研修のために講師を依頼した場合も、研修を行ってもらうことに対して報酬を払うため、準委任契約です。

この2つの契約内容の違いが、印紙を貼るべきかどうかを左右します。

そもそも収入印紙とは何のために貼るものなのか

TAX

印紙の正式名称は「収入印紙」で、印紙税を徴収するために国が発行しているものです。

印紙税を貼らなければならない課税文書は印紙税法によって定められており、文書の種類によって20種類に分類されます。

例えば不動産の譲渡に関する契約書や為替手形、定款、保険証券なども課税文書です。

印紙税の額は文書1通または1冊あたり数百円から数十万円までかなり幅があり、文書に記載された契約金額などによって変動します。

業務委託契約書に印紙が必要なのは「請負」の場合

積み上がった文書

印紙が必要なケース1:請負に関する契約(第2号文書)

業務委託契約書で印紙が必要な課税文書に該当するパターンは2種類あり、そのうちの一つが前述で解説した請負契約の場合です。法的には「第2号文書」と呼ばれます。

委任・準委任契約の場合は非課税なので印紙は不要です。

ただし、請負契約であっても契約金額が1万円未満であれば印紙は必要ありません

印紙が必要なケース2:継続的な業務委託の契約(第7号文書)

もう一つ、業務委託に関する契約で印紙が必要なのが継続的に業務委託を依頼する場合です。

正式には「継続的取引の基本となる契約書(第7号文書)」と呼ばれます。

第7号文書の定義は印紙税法施行令第26条第1~5号によって細かに決められています。

少々複雑ではあるものの、業務委託の観点で要点をまとめると以下のような内容です。

請負に関する契約である

・利益を得ることを目的とした事業者同士の契約である(国や自治体などではない)

2つ以上の取引を継続的に行う

2つ以上の取引に関する支払い方法や損害賠償などの共通する定めがある

・契約期間が3ヶ月以上で、更新に関する定めがある

・電気やガスの供給に関する契約ではない

要件を見ると第7号文書も請負契約であることに変わりはありません。

複数の取引を3ヶ月以上にわたって依頼する請負契約の場合は第7号文書に該当するということになります。

第2号文書か第7号文書か判断に迷ったときの見分け方

同じ請負契約なので第7号文書の条件に第2号文書も該当することがあり、違いがわからずに悩んでしまうケースがあるのが厄介です。

第2号文書と第7号文書では印紙税の額が違うので、区別ははっきりつけられなければいけません。

この点について国税庁が出している基準は、「契約の金額が記載されているかどうか」です。

契約に関する金額に記載があれば第2号文書、なければ第7号文書です。

仮に単価だけは決めてあったとしても、期間が定まっていなければトータルで支払う金額の計算はできませんから、「記載が無い」と判断されます。

契約内容を変更する際も印紙が必要になることがあるので注意

第2号文書でも第7号文書であっても、契約期間や支払い方法など条件に変更があった場合は別途覚書や念書に対して印紙が必要になることがあります。

契約書の覚書も課税文書になる場合がある」と覚えておきましょう。

印紙を利用する前にチェック!貼り方と注意点

注意点

印紙税額は文書の種類と契約内容によって異なる

契約書に印紙の貼付けが必要だとわかったら、契約内容に応じて郵便局コンビニなどで購入しましょう。
高額な場合は郵便局のほうが確実です。

<請負に関する契約書(第2号文書)の印紙税>

契約書に記載された契約金額に応じて以下のように変わります。

1万円未満→非課税
1万円以上100万円以下→200円
100万円以上200万円以下→400円
200万円以上300万円以下→1千円
300万円以上500万円以下→2千円
500万円以上1千万円以下→1万円
1千万円以上5千万円以下→2万円
5千万円以上1億円以下→6万円
1億円以上5億円以下→10万円
5億円以上10億円以下→20万円
10億円以上50億円以下→40万円
50億円以上→60万円
契約金額の記載のないもの→200円

<継続的取引の基本となる契約書(第7号文書)の印紙税>

一律4,000円

印紙税は当事者の双方が負担するのが一般的

業務委託契約書は依頼主と請負人が「共同で作成したもの」とされるため、両者に納税義務が発生します。

印紙は各自が保管することになる計2通の契約書両方に必要です。

どちらか一方が負担をして納税をしても問題は無いのですが、折半で負担するのが通常です。

契約書の片方が所持者以外の押印のされていない単なる写しであれば課税対象とはならないので、印紙も1通分のみで構いません。

不正に再利用されないよう印紙には消印や署名が必要

収入印紙は契約書の上部に貼り付けるのが一般的です。

このとき、印紙が不正に再利用されないよう消印(割印)を押す必要があります。判子以外に署名でも問題ありません。

いずれの場合も、印紙と契約書の両方にまたがるように押印または署名します。

消印がされていなかった場合は、ペナルティとして貼付されていた印紙の2倍の金額を納めることになるので注意しましょう。

印紙を貼り付け忘れると罰則があるので注意

うっかり印紙を貼り付けないまま契約を取り交わしてしまった、あるいは印紙が必要だとわからなかったといった理由で、納税を怠ってしまうことも考えられます。

印紙税に対しても税務調査が行われるので、調査の結果納付漏れが発覚すると「過怠税」というものが課せられ、本来納付すべき印紙税の3倍の額を収める必要があります。

税務調査が入る前に自己申告すれば、1.1倍で済みますから、意図せず貼付忘れが発生した場合はすみやかに申し出ましょう。

まとめ

判断する女性

業務委託契約書に印紙を貼るべきかどうか迷ったら、まずは契約内容で請負か委任(準委任)かどうかを判断しましょう。請負なら印紙が必要です。


さらに継続的取引の条件を満たしており、契約金額の記載がなければ第7号文書に該当します。

それ以外は第2号文書なので、規定の金額に沿った印紙を貼り付けましょう。

より細かな文書の規定は国税庁から情報が出ているので、随時情報を確認することをおすすめします。

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